アメリカの国立公園を周る際に意外と馬鹿にならないのが国立公園の入園料です。特にグランドサークルを周るなど、複数の国立公園を周ると大きな出費になります。
そこで、本日紹介したいのはAmerica the Beautifulという国立公園の入園パスです。このパスがあれば国立公園の入園料もかなり安く抑えられます。
America the Beautiful Passとは?
America the Beautiful PassはNational Park Serviceが運営する国立公園や国定公園の年間入園パスになります。複数の国立公園を周る場合は、このパスを購入することによってお得に国立公園を周ることが可能になります。
費用は約$80です。
パスの効力
まず、国立公園や国定公園の入園料のタイプは大きく分けて「車1台につき入園料がかかるタイプ」と、「1人当たりの入園につき入園料がかかるタイプ」があります。そして、このパス1枚でカバーできるのは下記のとおりです。
入園料が車1台あたりの場合
ほとんどの国立公園は車1台の入園につき入園料がかかります。例えば4人で入園しても1台の車で入園ならば、入園料はその1台分だけです。
そして、国立公園の入園料は通常車1台あたり$20~35ドルです。
America the Beautifulのパスを持っていれば、この車1台分の入園料がカバーできます。
ちなみに車1台とは常用の車で、日本からレンタカーを利用する場合に一番大きい車種クラスの7名~8名乗りのミニバンもこの常用の車の範囲内です。
入園料が1人当たりにかかる場合
まれに1人当たりの入園につき入園料がかかるタイプの国立公園もあります。このタイプの国立公園や国定公園は1人当たりの入園料も少額です。例えば、私がグランドサークルを回った際に行ったシーダーブレイクスは1人$7でした。
さて、America the Beautifulのパスの効力ですが、こういった公園では4名分の入園料がカバーされます。
ただ、このタイプの国立公園や国定公園は非常に少なく(私がグランドサークルを周った時は1つだけでした)、カバーできない追加の人数分は公園の窓口で料金を都度支払うのが良いと思います。
パスの有効期限
America the Beautifulのパスは購入した月から12カ月間有効です。分かりづらいですが、例えば2024年9月1日に購入した場合、2025年9月30日まで有効です。
購入について
America the Beautifulのパスを購入したい場合はオンラインで購入できますが、このパスはメールで送られてきて印刷して使えるような物ではありません。郵送にも時間がかかります。その為、私がおすすめする購入場所はREI(アウトドアショップ)です。
REIなら店頭でこのAmerica the Beautifulのパスを販売しているところもあります。私がグランドサークルを周った時はラスベガスのREI Henderson Storeで購入しました。
ただ、夏のピークシーズンは在庫もなくなってしまう場合もあるので事前に在庫の確認も必要です。
在庫確認
REIで購入する場合は事前にREIのオンラインショッピングのサイトでAmerica the Beautiful Passのページへ行き在庫を確認すると良いです。Find a store near youでAvialabilityがTodayのお店なら店頭で購入できます。
もしくは、REIのオンラインショッピングのサイトは日本からでも利用できるので、事前に購入して「Pick Up at a Store(店頭受け渡し)」を選択すれば、アメリカに到着してから選択したお店でAmerica the Beautifulのパスを受け取ることが可能です。金額はどこで購入しても同じ$80です。
基本的には1グループ(車1台に付き)あたりこのパスを1つ買えばOKです。
利用方法
準備
購入後は裏に署名(パスポートと同じ署名)します。署名は2人までできます。
そして、各国立公園では、America the Beautifulのパスと署名が確認できる写真付きIDを提示して入園することになります。
なぜ署名をパスポートと同じにするかは、写真付きIDとしてパスポートを使うのが一番便利だからです(日本の免許証は日本語表記なのでIDとして使ず、国際免許証はただの翻訳証明なのでIDとしての効力はありません)。
準備ができたら付属のパスケースに入れて車のミラーからぶら下げておきます。
国立公園にて
国立公園の入園ゲート、もしくはビジターセンターに着いたら、パスとIDを係員に提示するだけでOKです。
通常はここで入園料を支払い、園内のマップをもらうのですがこのパスを利用して入園する時は、何も言わないとマップはもらえない時もあるので、必要な方は「Map, Please」等と言ってマップをもらうようにしましょう。
また、ブライスキャニオンやキャニオンランズで早朝の日の出を見る場合は、国立公園の入園料支払いゲートに人がいない場合もあります(もしくはビジターセンターがまだ空いていない場合)。そんな時も、このパスがあれば安心で、入園ゲートをそのまま素通りし園内に入ることができます。
注意点としては、園内にいるときは一応このパスは車の外から見えるところに(ダッシュボードの上など)置いておく必要があり、車のフロントガラスにサンシェードなどを使う人は、シェードでパスが隠れないようにしてください。
パスが利用できる主な場所
このパスで入園できる場所は先ほども書きましたが、National Park Serviceが運営する国立公園・国定公園です。
*下記の国立公園のリンク先は私がその国立公園に行った時の体験記になっています。
- デス・バレー国立公園
- ジョシュア・ツリー国立公園
- ヨセミテ国立公園
- アーチーズ国立公園
- キャニオンランズ国立公園
- キャピトルリーフ国立公園
- グランドキャニオン国立公園
- メサ・ヴェルデ国立公園
- ブライスキャニオン国立公園
- ザイオン国立公園
- イエローストーン国立公園
- セコイア国立公園
- キングス・キャニオン国立公園
- マウントレーニア国立公園
- シーダーブレイクス国定公園
等など
National Park Serviceが運営していてもパスが使えない?パスが利用できるのはあくまでも入園料です。その為、メサ・ヴェルデ等の有料ツアーが用意されている国立公園では、ツアーを利用すると別途料金がかかります。また、人気のスポットでいうと、アルカトラズもNational Park Serviceが運営していますが、フェリー代金にはこのパスは使えません。ちなみにアルカトラズ自体は入園料が無料です。
パスが利用できない主な場所
National Park Serviceが運営していない場所はパスが利用できません。有名どころでいうと、下記の通りです。
そもそもアンテロープはツアーでなければ入園できないのと、モニュメントバレーの入り口には「America the Beautiful Passは使えません!」と書いてあります。
まとめ
私が8日間でグランドサークルを周った時は、入園料だけで合計してい見ると210ドルくらいかかる計算になりました。しかし、このパスを利用したので、実際にかかった費用は80ドルです。
たった8日間で100ドル以上の差が出てしまうので、国立公園を周る方は是非旅の前にAmerica the Beautifulのパスを購入することを検討してみてください。
そして、さらに詳しく知りたい場合は英語のホームページを参考にしてみてください。