アメリカでのドライブはとても楽しく、レンタカーでしか体験できないような旅もたくさんあります。しかし、レンタカーのリスクとして、慣れないアメリカでちょっとした不注意からの事故や自分が悪く無くてももらい事故を起こしてしまうケースもあります。
そして、今日お伝えしたいのはアメリカではその事故後の冷静ではない時を狙って悪質に車をレッカーしてしまう「Predatory Towing」と言う犯罪です。
万が一に備えて知っておくと良いと思います。
Predatory Towingとは
Predatory (プレデトリー)とは略奪的なと言うような意味で、Towing(トーイング)は日本でいうレッカーの事です。このPredetory Towingとは、事故後に勝手に現場に現れて強引に事故車を現場から遠くの保管所にレッカーしてしまいます。
そして、その後に多大なレッカー代金や車の保管費用、又は壊れた部品を勝手に解体して解体費用を請求されます。もちろん違法ですが、一般的な相場に比べると明らかに料金は高いが違法とは言えないレベルのグレーゾーン的な物もあるようです。
強引な手口
メディアで流れている情報によると、先ず、こういう会社は警察の無線の電波を傍受して事故現場にいち早く現れます。そして、「あなたの保険会社から依頼されて」等の嘘を述べ、警察が来る前に車をレッカーして持ち去ってしまいます。
無線の傍受については数年前にロサンゼルスの警察が偽の事故情報を無線で流したそうですが、その際もレッカー会社が現場に現れたそうです。
違法駐車もレッカー
このPredatory Towingは事故車のレッカーだけではなく違法駐車スポットや、利用していないお店の駐車場(「当店のお客様以外はここに車を止めないでください!」など張り紙を出しているお店の駐車場等)を狙い、運転者が車から離れた直後を見計らってレッカーしていってしまうケースもあるようです。
- 関連記事
- 車が故障した時の対処法
- 万が一事故にあったら?
被害にあわないためにも
まず、事故後は本来どうすべきかを知っておく必要があります。
事故後の対応としては車が動かせる場合は路肩に車を寄せ警察を待つか、動かせない場合は車はそのままにして警察が来るのを待ち、警察が到着後にポリスレポートを書いてもらいます。
いずれにしても警察が車の状況も確認します。もちろん、皆さんの来るはレンタカーなので基本的にはレッカー会社はレンタカー会社を通じて依頼し、レッカー先もレンタカー会社が指定した場所に車をレッカーしてもらいます。
対処法
州によって法律は違いますが基本的にはこのPredatory Towingはアメリカでは犯罪です。ただ、どう対応しても強引に車を持って行ってしまうケースや、中には暴力で威圧してくるレッカー会社のドライバーもいるようです。
やはり身の安全が第一なので、あくまでも安全に対応できる範囲内での話ですが、私ならどうやって対応をするかを参考までに紹介します。
意思を伝える
車はレンタカーでありレンタカー会社の指示なく勝手にレッカーはして欲しくないと意思を伝えましょう。もちろん悪質なレッカー会社は無視して車を持って行こうとしますが、スマホの動画でも何でもよいので記録に残してください。
レッカー前の確認事項
意思を伝えても強引に車を持って行こうとする場合もあります。
カリフォルニアの場合ですが、レッカー会社が会社名を名乗らずレッカーしてしまうのは違法です。また、事前にレッカー費用やその車の保管費用について明示する必要があり、後から追加でその費用を上回る請求をする事はできません。後々の「言った言わない」を避けるため、紙に書いてもらうか動画で記録を残してください。
他の州でも同様に、証拠として上記をレッカー会社に確認して記録を残すようにしてください。また、聞き入れてもらえない場合はその状況の記録を残してください。
このレッカーは犯罪行為であり裁判で訴えられるケースも多々あるので、もしかしたら訴えられるリスクを回避するためにあきらめてくれるかもしれません。
警察に伝える
警察が到着したら一連の状況を伝えてください。また、レッカーされてしまった場合は自分の意思に反してレッカーされた事やその状況を記録に残している事を伝えてください。
後は警察の指示に従って行動をとります。
もし被害にあったら
私は法律の専門家ではないのであくまでも参考程度にして欲しいのですが、証拠さえ残しておけば最悪の場合も違法な請求を逃れる事は可能です。
例えば、カリフォルニアの場合は現場から10マイル以上離れた保管所までレッカーしてはいけない、車の所有者の同意なしに勝手に車を修して費用を請求してはいけない等の法律があります。
また、駐車場のケースで言うと、消火栓横の駐車禁止スペースなどの特別な場所を除いて駐車後1時間以内にレッカーしてしまうのは違法で、さらに、駐車禁止スポットに監視役を付けて違反車両をレッカーする行為は違法です。
参考までにカリフォルニアのPredatory Towingについての法律はこちら(英語)をご覧ください。
万が一に備えてこういった情報を事前に知っておくのは被害を最小限に抑えるのに有効だと思います。
最後に
レンタカー中にこういった犯罪に巻き込まれないようにするためにも、先ずは自らが事故の原因にならないように安全運転に心がけるようにしましょう。
冒頭でも言いましたが、皆さんにはレンタカーでしか味わえない旅を楽しんで頂きたいのですが、こういった犯罪があるという事も知っておいていただければと思います。